園だより
2025.06.08
何から始まる?何から始める?
おはようございます。
園長です。
日曜日の朝。
隣に寝ている息子の寝顔を見て、書いています。
彼の姉はとても物分かりがよく、人間関係における押し引きも上手で、気持ち良く付き合えるお人です。
対して彼はデリケートで傷つきやすく、それ故に怒りやすくパニックに陥りやすく、そして理屈っぽく、両親や友だちを不快な気持ちにさせる名人です。
周りとくらべて幼いようにも思う。
勉強も苦手で。
いつも「やらないため」の言い訳や理屈ばかり言っては両親と口喧嘩。
最後には「悪いのは全部周りのせい」にするその姿勢が、私はどうしても許せない。
このままでは将来が不安なので、つい彼には口うるさく、厳しく当たってしまいます。
そして、そういう私自身に自己嫌悪し悩み…何年も何年も、この繰り返し。
いつになったら彼は、私の気持ちを分かってくれるのか。
でも、彼の寝顔を見ていたら、ふと思ったんです。
きっと彼は「お父さんは、いつになったらぼくの気持ちを分かってくれるんだろう」って、何年も何年も悩んでいるのではないか?と。
昨日、小さな子どものように甘えてきたり、一緒に遊ぼうとしてきたり…そんな様子があったのですが、私は「今忙しいから、自分で遊んでて」と言いました。
本当は忙しかったのではなく、スマートフォンで動画を見ていたからなのです。
特に今見なければならないものでもなく。
ただ、少し一人の時間がほしかったくらいなもので。
私は、今までこうして何回彼をスルーしてきたのか。
きっと、彼が日々の生活に対し不安を感じているのだとしたら、私のスルーも、その要因の一つなんだと思う。
スルーしておきながら、こちらの言い分はあくまで理解させないと気が済まない。
彼のために?それとも私の不安のために?
今さらながらに、そのことに気づいた私。
かと言って、これからは彼をスルーしない自信があるかと問われれば、やっぱりスルーしてしまうようにも思う。
彼の行動の根っこは、彼自身のと言うよりも、私の行動に少なからず要因があるのかも知れない。
子どもは何も悪くない。
もちろん、親だって何も悪くない。
お互いに、一生懸命に、必死で生きている。
その中で、もし子どもの行動に何か引っかかりを覚えたならば、子どもの資質を問う前に、周りとくらべる前に、親の期待する結果を求める前に、まずは「寂しいのかな?不安なのかな?」と目の前の我が子に思いを寄せるところから始めたい。
我が子の気持ち、分かっているようできっと分かっていない。
親だって同じ人間、完璧じゃないから。
できることよりも、できないことの方がほとんどで。
我が子のことだからって、何でも分かるわけじゃない。
だからまずは、分かろうとするところから始めたい。
実は、彼を失う夢を見て、びっくりして起きた。
そうだ、すっかり忘れていた。
彼が生きている。
こうして、ここにいてくれる。
私にとって、それ以外に何を望むことがあろうか。
まずは、彼を抱きしめるところから始めようと思う。